2025年11月9日、政治団体「NHKから国民を守る党」の党首である立花孝志容疑者(58)が、兵庫県警によって名誉毀損の容疑で逮捕されたという衝撃的なニュースが、全国を駆け巡りました。
この逮捕劇は、今年2025年1月に50歳の若さで自ら命を絶った、竹内英明・元兵庫県議(当時50)の死を巡る一連の騒動が発端となっています。竹内氏の遺族は、立花容疑者の執拗な情報発信によって故人の名誉が著しく傷つけられたとして、今年に入り兵庫県警に刑事告訴していました。
兵庫県警は、立花容疑者が故人である竹内氏に対し、明らかに「虚偽」と認識できる情報をYouTubeや街頭演説で繰り返し発信し、その名誉を毀損した疑いが強いと判断し、逮捕に踏み切ったものとみられています。
立花容疑者といえば、過去にもNHKの業務を妨害した罪などで有罪判決を受け、現在は執行猶予中の身です。このタイミングでの逮捕は、今後の司法判断や政治活動に重大な影響を与えることは必至でしょう。
この記事では、以下の点について、報道やこれまでの経緯を基に、事件の全貌を徹底的に深掘りしていきます。
- 逮捕の理由:なぜ「死者の名誉毀損」という異例の容疑で逮捕されたのか?
- 何をしたのか:立花容疑者は竹内元県議に対し、具体的に「何を言い」「何をした」のか?
- 竹内氏の自死の背景:竹内元県議はなぜ自ら命を絶つに至ったのか?立花容疑者との関係性は?
- 今後の処罰:執行猶予中の逮捕で実刑は免れないのか?今後の罪状と処罰はどうなる?
- 人物像:そもそも立花孝志氏とは何者なのか?その生い立ちから経歴、家族、資金源まで網羅的に解説します。
1. 【速報】立花孝志氏逮捕の衝撃、その背景にあるものは何か
2025年11月9日午前、関西テレビ、朝日新聞、MBSニュース、神戸新聞NEXTなど、複数の主要メディアが「立花孝志容疑者(58)を名誉毀損の疑いで逮捕」と一斉に速報しました。この一報は、これまで数々の騒動で世間の注目を集めてきた同氏の活動が、法的な一線を大きく踏み越えた可能性を示すものとして、瞬く間に拡散されました。
逮捕容疑は、2025年1月18日に亡くなった元兵庫県議・竹内英明氏の名誉を傷つけたというものです。兵庫県警は同日、立花容疑者の身柄を確保し、本格的な取り調べを開始したとみられます。警察は立花容疑者の認否については「捜査に支障が出るおそれがある」として明らかにしていませんが、事態の重大性をうかがわせます。
立花容疑者は、2024年の兵庫県知事選挙を巡る一連の騒動の中で、当時、県議会の百条委員会委員として知事の疑惑を追及していた竹内氏を名指しで批判。さらに竹内氏の死後、その死の理由について虚偽の情報をYouTubeなどで大々的に発信したとされています。この行為が、故人の尊厳を踏みにじるものとして、法的責任を問われる形となりました。
故人の名誉を虚偽の事実によって毀損する行為は、刑法第230条第2項「死者の名誉毀損」にあたる可能性があり、竹内氏の遺族からの告訴を受けて、警察が悪質なケースと判断した結果、今回の逮捕に至った模様です。特に、立花容疑者が過去の別件で執行猶予中であったという事実が、警察の判断に影響を与えた可能性も指摘されています。
2. 立花孝志逮捕の核心、なぜ「死者の名誉毀損」という異例の容疑が適用されたのか
今回の逮捕の核心にあるのは、刑法で定められた「死者の名誉毀損」という罪です。名誉毀損事件において、特に「死者」を対象とした容疑で逮捕に至るケースは異例とも言えます。なぜ立花容疑者の言動がこの罪に問われることになったのか、その法的な背景と理由を詳しく見ていきましょう。
2-1. 罪状「死者の名誉毀損」とは何か?その法的構造
通常の名誉毀損罪(刑法230条1項)は、公然と事実を摘示し、人の社会的評価を低下させた場合に成立し得ます。この場合、摘示された事実が真実であっても、公共の利害に関するなど特定の条件を満たさなければ罪に問われる可能性があります。
しかし、「死者の名誉毀損」(同条2項)は、その要件が大きく異なります。
刑法第230条第2項
死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。
この条文が示す通り、亡くなった方に関する名誉毀損は、それが「嘘(虚偽)」であった場合にのみ処罰の対象となります。歴史上の人物に対する自由な研究や議論を萎縮させないため、また故人に対する批判がすべて罰せられることを防ぐための規定と考えられています。
今回の事件で、兵庫県警は立花容疑者の発言が、単なる意見や憶測の表明に留まらず、この「虚偽の事実」の摘示にあたると強く認定したことになります。これは、捜査当局が立花容疑者の発言内容を「明白な嘘」として立証できるだけの証拠を確保したことを示唆しています。
2-2. 捜査の引き金となった遺族による「刑事告訴」の重み
名誉毀損罪(死者の名誉毀損罪を含む)は、「親告罪」として定められています。これは、被害者やその代理人(今回は故人の遺族)からの「告訴」がなければ、検察が起訴することができない犯罪類型であることを意味します。
報道によれば、竹内元県議の妻(50)が、立花容疑者の度重なる虚偽発信に「夫の尊厳を守るため」と、2025年6月(一部報道では8月)に兵庫県警に名誉毀損容疑で刑事告訴状を提出し、これが正式に受理されていました。
竹内氏の妻は記者会見で、「夫は、立花氏から(文書問題の)『黒幕』と名指しされて、人々の憎悪の対象にされ、絶望して命を絶った」と、その悲痛な胸の内を訴えていました。警察も、この遺族の強い処罰感情と、社会的な影響の大きさ、そして発信された情報の悪質性を重く受け止め、強制捜査である逮捕に踏み切ったものと考えられます。
2-3. 決定打となった県警本部長による「全くの事実無根」という異例の公式否定
立花容疑者の発言が「虚偽」であることは、非常に客観的かつ公的な形で裏付けられていました。これが、今回の逮捕容疑を固める上で決定的な証拠の一つとなった可能性が極めて高いです。
立花容疑者が「竹内氏は明日逮捕される予定だった」「警察の継続的な取り調べを受けていた」などと動画を配信した直後の2025年1月20日、兵庫県警のトップである村井紀之本部長(当時)が、県議会の警察常任委員会という公式の場で、極めて異例の答弁を行っています。
村井本部長は、竹内氏について「被疑者として、任意の調べをしたことはなく、逮捕するという話は全くない」と明確に明言。さらに、「全くの事実無根で、明白な虚偽がSNSで拡散されていることについては極めて遺憾だ」と、立花容疑者の発信内容を警察組織のトップが公式に全否定するという、強い対応を取りました。
この公的機関による否定があったにも関わらず、立花容疑者が(一部報道によれば謝罪後も)故人を貶めるような発信を続けた、あるいは十分な訂正を行わなかったとすれば、その行為は「虚偽の認識があった」あるいは「虚偽である可能性を認識しながら行った」と判断されても仕方がありません。この点が、単なる名誉毀損を超えた悪質性があるとみなされ、逮捕という厳しい処分に繋がった最大の理由の一つであると分析できます。
3. 故・竹内英明元県議へ何をしたのか?「明日逮捕」虚偽発言に至る全時系列と詳細
立花容疑者は、故・竹内元県議に対し、具体的にどのような言動をとっていたのでしょうか。兵庫県知事選の時期から逮捕に至るまでの経緯を、報道されている情報を基に時系列で詳細に整理します。この流れは、一人の地方議員が精神的に追い詰められていく過程と、そこにSNSを駆使した特定の人物がどのように関与したかを浮き彫りにします。
3-1. 【発端】2024年 兵庫県知事選と「2馬力選挙」という特異な戦術
全ての始まりは、2024年秋の兵庫県知事選挙に遡ります。この選挙は、斎藤元彦知事(当時)のパワハラ疑惑などを記したとされる内部告発文書問題を巡り、県政が大きく揺れる中で行われました。県議会が百条委員会(調査特別委員会)を設置し、知事への追及が強まっていたのです。
- 竹内氏の立場:竹内英明元県議は、この百条委員会の委員として、知事の疑惑を厳しく追及する中心人物の一人でした。彼は会派(ひょうご県民連合)の政務調査会長も務め、その調査能力と論理的な追及は高く評価されていたとされます。
- 立花氏の立場:立花容疑者はこの知事選に、突如「斎藤知事を支援するため」として立候補を表明します。しかしその戦術は、自らの当選を目指すものではありませんでした。選挙運動中、彼は「自分の当選は考えていない」「斎藤氏をサポートしたい」と公言し、斎藤知事の再選を後押しする「2馬力選挙」と称する異例の選挙運動を展開しました。この行動の背景には、知事を追及する県議会やメディアを『集団イジメ』と批判する彼独自の理論があったとされます。
3-2. 【攻撃の開始】2024年11月~12月:「黒幕」というレッテル貼りと虚偽発言①
立花容疑者は選挙運動という「公」の活動を利用し、斎藤知事を追及する百条委員会のメンバー、特に竹内氏や奥谷謙一委員長(当時)を「(内部告発文書問題の)黒幕」などと名指しで激しく批判し始めます。YouTubeや街頭演説を通じて、彼独自の陰謀論的な主張が拡散されていきました。
このSNSを通じた攻撃と誹謗中傷の激化などを理由に、竹内氏は2024年11月18日、県議を辞職。精神的に追い詰められていたことがうかがえます。しかし、立花容疑者の言動は、竹内氏の辞職後、さらにエスカレートすることになります。
【虚偽発言①:捜査対象であるかのような印象操作】
報道によると、2024年12月13日および14日、立花容疑者は自身が立候補していた大阪府泉大津市長選挙の街頭演説で、辞職したばかりの竹内氏について以下のような発言を行いました。
「何も言わずに去っていった竹内議員は、めっちゃやばいね。警察の取り調べを受けているのは多分間違いないと。」
「多分間違いない」という憶測の形をとりながらも、「警察の取り調べ」という具体的な言葉を使い、竹内氏が何らかの犯罪行為に関与し、捜査対象となっているかのような、根拠のない情報を公然と発信し始めたのです。これが、後に続く虚偽発信の序章となりました。
3-3. 【悲劇】2025年1月18日:竹内英明元県議の自死
議員という公職を辞し、一般人となった後も、ネット上での誹謗中傷は止まりませんでした。「黒幕」というレッテルは消えず、竹内氏は深刻な状態に追い詰められていたと関係者は証言しています。
そして2025年1月18日、竹内英明氏は姫路市内の自宅の書斎で意識のない状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認されました。50歳という若さでした。警察は現場の状況などから自殺とみています。
竹内氏の関係者は「(立花氏に)自宅に行くと予告されたり、デマ情報を流されたりして生活が脅かされ、家族を守るために辞職を決断した」「辞職後もデマを流され続け、年末には深刻な状況になっていた」と証言しており、立花容疑者らによる一連の言動が、竹内氏を精神的に追い詰めた一因となった可能性が強く指摘されています。
3-4. 【死後の追撃】2025年1月19日:虚偽発言②「明日逮捕予定だった」という捏造
竹内氏が亡くなったという悲報が報じられた、その翌日。常識的には故人の死を悼み、言動を慎むべき状況で、立花容疑者は事もあろうに、故人の死をさらに利用し、貶めるような、決定的な虚偽情報を発信します。
【虚偽発言②:死の理由の捏造】
2025年1月19日および20日、立花容疑者は自身のYouTubeチャンネルや、埼玉県川越市議補欠選挙の応援演説の場で、以下のような内容虚偽の情報を投稿・発言しました。
「竹内元県議は、昨年9月ごろから兵庫県警からの継続的な任意の取り調べを受けていました。」
「竹内元県議は、どうも明日逮捕される予定だったそうです。」
この発言は、「竹内氏は犯罪者であり、警察に逮捕される直前だった」「その逮捕を苦にして自殺した」というストーリーを完全に捏造し、不特定多数に閲覧させ、故人の社会的評価と名誉を根底から破壊するものでした。これが、今回の逮捕容疑の核心部分であり、遺族が最も強く処罰を求めた点であるとみられています。
3-5. 【公的否定と謝罪】県警の否定と立花氏の表向きの対応
前述の通り、2025年1月20日、兵庫県警本部長がこれらの発言を「全くの事実無根」「明白な虚偽」と公式に否定。
これを受け、立花容疑者は自身のYouTubeチャンネルで「警察の逮捕が近づいていて、それを苦に自ら命を絶ったということについては、間違いでございました。訂正させていただきます。そして、謝罪をさせていただきます」と述べ、関連する投稿を削除しました。
しかし、一部報道では、この「謝罪」の後も、立花容疑者は「故人が悪事を働いていたことは明らか」「批判や誹謗中傷を受けたから自殺したと考えるのは思考が単純すぎる」といった趣旨の発信を続けていたとされています。もしこれが事実であれば、警察の公式否定や表向きの謝罪にも関わらず、故人を貶める意図が継続していたと判断されてもやむを得ない状況でした。
3-6. 【遺族の決断】2025年6月 (または8月):刑事告訴
竹内氏の妻は、この一連の、あまりにも理不尽な故人への冒涜に対し、夫の尊厳を守るため、弁護士と相談の上、立花容疑者を「死者の名誉毀損」容疑で兵庫県警に刑事告訴。これが受理され、警察による本格的な捜査が始まりました。
3-7. 【逮捕】2025年11月9日:法的手続きの帰結
そして捜査の結果、兵庫県警は立花容疑者の言動が悪質であり、証拠隠滅の恐れもある(あるいは悪質性が高く逮捕が相当)と判断し、11月9日の逮捕に至ったとみられています。これは、SNSという空間で行われた言論が、現実世界で取り返しのつかない悲劇を生み、法的な裁きを受けるに至った、象徴的な事件の流れと言えます。
4. 兵庫県政の混乱、立花孝志氏と竹内英明氏の関係性とは何だったのか
立花孝志容疑者と故・竹内英明元県議の間に、個人的な交友関係があったわけではありません。二人の関係性は、2024年の兵庫県知事選という公的な舞台において、内部告発文書問題を巡る「追及する側」と「擁護する側(を自称する介入者)」として、完全に対立する形で発生しました。
竹内氏は、兵庫県議として、百条委員会という県議会に与えられた権限に基づき、行政の疑惑を調査・追及するという「公的な職務」を遂行していました。彼は、自身の信念と正義感に基づき、県政の透明性を確保するために行動していたと、多くの同僚議員や関係者が証言しています。
一方、立花容疑者は、この構図を「斎藤知事に対する集団イジメ」という独自の視点で解釈し、県外から「介入」しました。彼の目的は、彼自身が主張するように斎藤知事を「サポート」することにあったのかもしれませんが、その手段として選んだのは、疑惑を追及する側の百条委員会、特に竹内氏らを「黒幕」と断定し、SNSやYouTubeを通じて集中的に攻撃することでした。
つまり、両者の関係性は「公人として職務を遂行する議員」と、「その議員を『黒幕』と名指しし、SNSで攻撃する候補者」という、極めて歪な対立関係でした。立花容疑者にとって竹内氏は、自らの政治的パフォーマンス(2馬力選挙)を最大化するための「敵役」として設定された側面があったのではないか、という分析も可能です。しかし、その「パフォーマンス」は、一人の人間の尊厳と生命を脅かす結果に繋がってしまいました。
5. 竹内英明元県議の自死の背景、なぜ彼は追い詰められたのか?(※断定回避)
故・竹内英明元県議が自ら命を絶った背景について、その理由を一つに断定することはできません。ご本人が亡くなられている以上、その真意は誰にもわからないからです。しかし、報道されている情報を丹念に追うことで、彼がどのような状況下に置かれていたのか、その一端を推し量ることはできます。
5-1. 辞職の理由として語られた「家族を守るため」という言葉
竹内氏は2024年11月に県議を辞職した際、所属していた会派の幹部に対し、辞職の理由を説明していたことが報じられています。その内容は、「立花孝志氏に自宅に行くと予告されたり、デマ情報を流されたりして生活が脅かされ、家族を守るために辞職を決断した」というものでした。
この証言は非常に重いものです。公人としての活動に対する批判や議論は、ある程度受け入れなければならない立場であったとしても、「自宅への突撃」を示唆されることは、本人だけでなく、同居する家族の安全をも脅かす「脅迫」に近い行為と受け止めても不思議ではありません。
事実、立花容疑者は同時期、百条委員会の奥谷謙一委員長(当時)の自宅兼事務所前で拡声器を使い街頭演説を行い、「出てこい奥谷」「あまり脅しても自死されたら困るので、これくらいにしておく」などと発言していたとされ、竹内氏も同様の被害に遭うことを現実的な脅威として感じていた可能性が伺えます。
5-2. 辞職後も止まなかったネット上の誹謗中傷
公人としての立場を捨て、県議を辞職すれば、攻撃は止むかもしれない。そう考えた可能性もあります。しかし、現実には議員を辞職し、一般人となった後も、ネット上での誹謗中傷は止まらなかったとされています。
関係者の証言では「辞職後もデマを流され続け、2024年末には深刻な状況になっていた」とのことです。一度「黒幕」という根拠のないレッテル貼りがネット上で拡散してしまうと、その情報を鵜呑みにした不特定多数からの攻撃が自動的に継続してしまうという、ネット社会の負の側面が表れています。
竹内氏は周囲に「家から出ることも難しい状況」だったと相談していたとも報じられており、精神的に深刻な状態(うつ状態など)に追い詰められていた可能性が考えられます。
5-3. 立花孝志氏の言動が与えた影響についての考察
人の自死の理由は複合的であり、立花容疑者の言動だけが原因であると断定することは、決してできません。ご遺族の心情を思えば、なおさら慎重になるべきです。
しかし、一連の経緯を客観的に見れば、立花容疑者による一連の言動が、竹内氏を精神的に追い詰めた主要な要因の一つであった可能性は、極めて高いと言わざるを得ません。
- 根拠のない「黒幕」というレッテル貼りによる社会的評価の毀損。
- 自宅への突撃を示唆するような脅迫的な言動による、家族を含めた身の安全への脅威。
- 「警察の捜査対象」という虚偽情報の流布による、公人としてのキャリアと信用の失墜。
これらの執拗な攻撃が、公人として、また一人の人間としての竹内氏の尊厳と日常を破壊し、絶望させたことは想像に難くありません。竹内氏の妻が「夫は立花氏から『黒幕』と名指しされて、人々の憎悪の対象にされ、絶望して命を絶った」と訴えている言葉が、その重さを物語っています。
奇しくも、2025年3月14日に立花容疑者を財務省前でナタのようなもので襲撃した犯人(30歳)は、その動機について「兵庫県の議員が自殺をしたというニュースを見て殺意を抱くようになった」と供述していたことが報じられています。また、2025年4月に自殺した「みんなでつくる党」のボランティア男性(当時63歳)も、遺書の中で立花氏によるSNS上での自宅住所の公開や、それに伴う支持者からの執拗な嫌がらせが「死を選ばざるを得なかった最大の理由」であると名指ししていました。立花容疑者の言動が、現実の他者の死に間接的・直接的に関連する事態が相次いでいた中での、今回の逮捕となりました。
6. 立花孝志氏の今後はどうなる?執行猶予中の再逮捕、実刑の可能性と想定される処罰
今回の逮捕で法曹関係者やメディアが最も注目しているのが、立花容疑者が「執行猶予中」の身であるという、極めて重大な事実です。この事実は、今後の法的な手続きと、予想される処罰に決定的な影響を与える可能性があります。
6-1. 「懲役2年6か月、執行猶予4年」の身だった立花容疑者
立花容疑者は、決して「初犯」ではありません。過去に複数の刑事事件で起訴されています。
特に重大なのが、NHKと受信契約を結ぶ顧客の情報を不正に取得したとされる「不正競争防止法違反」や、N国党(当時)から離党した東京都中央区議の男性に対しYouTubeで「ぶっ壊す」などと発言した「脅迫」などの罪です。これらの罪に問われた裁判で、2022年1月20日、東京地方裁判所は立花容疑者に対し「懲役2年6か月、執行猶予4年」の有罪判決を言い渡しました。
立花容疑者側はこれを不服として控訴、さらに上告しましたが、2023年3月23日付で最高裁判所が上告を棄却。これにより、この有罪判決が確定しました。つまり、立花容疑者は2023年3月から4年間(計算上、2027年3月頃まで)、刑の執行を猶予されている期間の真っ只中にいたのです。
6-2. 執行猶予が取り消される(=実刑となる)条件とは?
「執行猶予」とは、判決で懲役刑や禁錮刑が言い渡されても、その執行を一定期間待ってもらえる制度です。その期間中、再び罪を犯さなければ、刑の言い渡しは効力を失います。しかし、その期間中に再び罪を犯すと、この「猶予」が取り消されることがあります。
執行猶予が取り消され、前の判決(懲役2年6か月)と今回の判決の両方の期間、刑務所に服役しなければならなくなる(=実刑となる)のは、以下の条件が揃った場合です。
- 今回の「死者の名誉毀損」の容疑で起訴されること。
- 裁判の結果、「禁錮以上の刑(=罰金刑ではなく、禁錮刑または懲役刑)」が言い渡されること。
- その判決に「再び執行猶予が付かない(=実刑判決である)」こと。
- その判決が、現在の執行猶予期間中(おおむね2027年3月頃まで)に確定すること。
6-3. 今回の罪状「死者の名誉毀損」の法定刑と裁判の見通し
「死者の名誉毀損」(刑法230条2項)の法定刑は、「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」です。
検察が罰金刑を求めて略式起訴する可能性もゼロではありません。しかし、今回の事件の経緯(故人を執拗に攻撃した悪質性、遺族の処罰感情の強さ、県警本部長による公的否定を事実上無視した点)や、何よりも立花容疑者が執行猶予中であるという立場を鑑みると、検察が事態を重く見て、公判請求(正式な裁判)に踏み切る可能性は十分にあります。
裁判になれば、検察側は懲役刑を求刑すると予想されます。弁護側(立花容疑者側)は、おそらく「虚偽の認識がなかった(真実だと信じていた)」あるいは「真実だと信じるに足る相当な理由があった(真実相当性)」と主張して争うものとみられます。しかし、前述の通り、県警本部長が公式に「事実無根」と否定した後も、同様の(あるいは十分な訂正を伴わない)発信を続けていたとすれば、この「真実相当性」の主張が裁判所に認められるハードルは極めて高いと言えるでしょう。
6-4. 実刑(刑務所収監)の可能性はどの程度か?
もし今回、裁判所が「執行猶予中の再犯であり、行為も悪質である」と判断し、例えば「懲役1年」の実刑判決(執行猶予なし)を下したとします。この判決が執行猶予期間中に確定すれば、立花容疑者の現在の執行猶予(懲役2年6か月)は取り消されます。
その場合、以前の判決(懲役2年6か月)と今回の判決(懲役1年)を合計した期間、つまり3年6か月間、刑務所に収監されることになります。
執行猶予期間中の同種または類似の犯罪(脅迫と名誉毀損は、言論による加害行為として近い性質を持つと判断される可能性があります)は、裁判所が再犯の可能性が高いと判断し、実刑判決を下す大きな要因となります。
社会的な影響の大きさ、被害の重大性(人の死に関わる一連の経緯)、そして司法の警告(執行猶予)を無視したかのような再犯であることから、司法が今回、厳しい判断を下す可能性は十分に考えられます。
7. 立花孝志とは何者か?NHK職員から国政政党党首への全経歴、出身高校と学歴
数々の騒動で常に世間の注目を集め、賛否両論を巻き起こしてきた立花孝志容疑者。その波乱万丈な経歴と特異な人物像について、改めて詳しくまとめます。
7-1. 基本プロフィールと異色の経歴
- 本名:立花 孝志(たちばな たかし)
- 生年月日:1967年8月15日(58歳)
- 出生地:大阪府泉大津市
- 現職:政治団体「NHKから国民を守る党」党首、YouTuber、タレント(渡邉エージェンシー所属)
- 過去の職歴:日本放送協会(NHK)職員、パチプロ、フリージャーナリスト
- 過去の議員歴:
- 参議院議員(比例区 1回 / 2019年7月29日 – 2019年10月10日)※在任期間約3か月
- 東京都葛飾区議会議員(1回 / 2017年11月13日 – 2019年5月26日)
- 千葉県船橋市議会議員(1回 / 2015年5月1日 – 2016年7月14日)
7-2. 出身高校はどこ?学歴詳細
立花容疑者の最終学歴は「高等学校卒業」であり、大学には進学していません。この「高卒」という学歴は、彼の経歴において重要なキーワードとなります。
- 出身高校:大阪府立信太高等学校(おおさかふりつ しのだ こうとうがっこう)
- 1986年卒業。偏差値は当時30台だったと自ら語ることがあり、エリート街道とは無縁のスタートだったことを強調しています。
- 出身中学校:泉大津市立小津中学校
- 出身小学校:泉大津市立条東小学校
7-3. NHK職員から内部告発、そして退職へ (1986年~2005年)
1986年4月、高校卒業と同時に、教師の勧め(本人談)で日本放送協会(NHK)に入局。これは、当時の学歴社会において「高卒でのNHK入局」という、彼にとって「人生の大逆転」とも言える出来事だったようです。
- 和歌山放送局庶務部に配属され、キャリアをスタート。
- 1991年7月、NHK大阪放送局経理部に異動。
- 1998年7月、本部の要請でNHK本部報道局スポーツ報道センター(企画・制作)に異動。
- 2004年7月、NHK本部編成局(経理)に異動。
経理畑やスポーツ報道の制作現場を経験するなど、約19年間にわたりNHKの内部でキャリアを積みました。しかし、2005年、そのキャリアは突如として終わりを迎えます。
2005年4月、立花氏は「週刊文春」においてNHKの不正経理を内部告発。これが引き金となり、同年7月、立花氏自身も(関与していたとされる)不正経理の責任を問われ、懲戒処分を受けてNHKを依願退職することになりました。
一部報道では、立花氏は選挙公報の経歴に「記者」と記載したことがあるとされていますが、NHK側は「立花孝志氏はNHK在職時において記者職であったことはない」と公式に否定しており、この「経歴詐称疑惑」も彼を巡るトラブルの一つとして知られています。
7-4. 政界入りと度重なる選挙出馬、その特異な戦略
NHK退職後は、フリージャーナリストとしての活動や、後述する「パチプロ」として生計を立てていたと公言しています。そして2012年、「立花孝志ひとり放送局株式会社」を設立し、YouTubeでの活動を本格化させます。
2013年6月、政治団体「NHK受信料不払い党」(後の「NHKから国民を守る党」)を設立し、代表に就任。ここから、常識破りの選挙活動が始まります。
<立花孝志のおもな選挙歴(落選多数)>
彼の選挙戦略は「当選」そのものよりも、「NHKをぶっ壊す!」というスローガンを政見放送などで連呼し、知名度を上げ、YouTubeチャンネルの登録者を増やし、最終的に党の勢力を拡大することに重点が置かれているように見えます。
| 執行日 | 選挙名 | 結果 | 備考・分析 |
|---|---|---|---|
| 2013年9月 | 摂津市議会議員選挙 | 落選 | 初の選挙。知名度も低く落選。 |
| 2014年2月 | 町田市議会議員選挙 | 落選 | 地方選での挑戦を続ける。 |
| 2015年4月 | 船橋市議会議員選挙 | 当選 (1回目) | ついに地方議員の議席を獲得。 |
| 2016年7月 | 東京都知事選挙 | 落選 | 任期途中で市議を辞職し、都知事選へ。政見放送で「NHKをぶっ壊す!」と連呼し、ネットで話題に。 |
| 2017年11月 | 葛飾区議会議員選挙 | 当選 (2回目) | 再び地方議会で足場を固める。 |
| 2019年6月 | 堺市長選挙 | 落選 | 任期途中で区議を失職し、市長選へ。国政選挙へのステップか。 |
| 2019年7月 | 第25回参議院議員通常選挙 (比例区) | 当選 (3回目) | YouTubeでの活動が結実し、国政政党の党首となる。 |
| 2019年10月 | 参議院議員補欠選挙 (埼玉県選挙区) | 落選 | 当選からわずか3ヶ月で参院議員を辞職(自動失職)。補選出馬という奇策で、党の議席を浜田聡氏に譲り、自らは選挙運動を続けることを選ぶ。 |
| 2019年11月~12月 | 海老名市長選挙・桜井市長選挙・小金井市長選挙 | 全て落選 | 怒涛の市長選ラッシュ。話題作りと党勢拡大が目的か。 |
| 2020年7月 | 東京都知事選挙 | 落選 | 「ホリエモン新党」を名乗り出馬。再び知名度の高い選挙に挑戦。 |
| 2024年11月 | 兵庫県知事選挙 | 落選 | 「2馬力選挙」を展開。今回の逮捕事件の発端となる。 |
| 2025年3月 | 千葉県知事選挙 | 落選 | この選挙期間中の3月14日、財務省前で演説中にナタのようなもので襲撃され、頭部を負傷する事件が発生。 |
| 2025年7月 | 第27回参議院議員通常選挙 (兵庫県選挙区) | 落選 | 国政復帰を目指すが落選。党としても政党要件を失う。 |
※上記以外にも、三木市長選挙(2025年6月落選)、泉大津市長選挙(2024年12月落選)など、多数の市長選などに出馬・落選を繰り返しています。この常軌を逸した出馬回数自体が、彼の政治活動が「当選」だけを目的としていないことを示しています。
8. 立花孝志氏の人物像を形成した実家の環境と壮絶な生い立ちの背景
立花容疑者の型破りで、時に破壊的とも言える行動の背景には、その壮絶な生い立ちが深く影響しているのではないか、と多くのメディアや分析で指摘されています。
- 出生地と家庭環境:大阪府泉大津市の「助松団地36号棟」で生まれ育ちました。父親はサラリーマンでしたが、立花氏が5歳くらいの時に両親が離婚。父親、3歳年上の姉との3人暮らしになります。
- 父親の不在(ネグレクト):父親は不倫相手の女性と暮らしていたとされ、たまに生活費を置きに家に帰ってくるだけで、ほとんど家にいなかったと立花氏自身が語っています。これは実質的なネグレクト(育児放棄)に近い状態だったと推察されます。
- 栄養失調と母親の帰還:小学5年生の時、立花氏は栄養失調で倒れたことがあったといいます。この出来事がきっかけで、離婚していた母親が家に戻ってきたとされています。しかし、母親が戻った後も、家庭内のコミュニケーションは乏しかったようです。
- 姉からの暴力:3歳年上の姉からは日常的に暴力を受けていたとも明かしています。この経験が、彼の力への渇望や、既存の権威に対する反発心の一因となった可能性も考えられます。
- 極度の貧困と労働:実家は経済的に困窮しており、生きるために必死だったと語っています。小学5年生から新聞配達のアルバイトを始め、高校時代には実家を離れ、風呂ナシ便所ナシのアパートで一人暮らしを開始。学費も家賃も自分で稼ぐため、早朝3時からの新聞配達、ガソリンスタンド、祖父の観光船のキップ切りなど、複数のアルバイトを掛け持ちしていたとのことです。
このような「居場所のない」幼少期、極度の貧困、そして親からの愛情の欠如とも言える経験は、彼のパーソナリティ形成に強烈な影響を与えたと考えられます。「金と知恵は使えば使うほど増える」「金と女と票は追えば追うほど逃げる」といった彼独自の座右の銘にも、こうした原体験が反映されているのかもしれません。
「高卒」でありながら、自らの才覚(パチンコやYouTube)で稼ぎ、大組織(NHK)に立ち向かい、国会議員にまで上り詰めたというサクセスストーリーは、こうした過酷な生い立ちとの対比によって、より強烈なアイデンティティとして彼自身の中に息づいているのではないでしょうか。そして、その「反骨精神」が、時に他者の尊厳を顧みない過激な言動として表出する危険性をはらんでいたとも言えます。
9. 立花孝志氏の私生活、結婚と離婚、元妻はどのような人物か
立花容疑者の公的な顔とは裏腹に、その私生活、特に家族関係については多くが語られてきませんでした。しかし、断片的な情報から、彼の私生活の一端を垣間見ることができます。
9-1. 結婚と離婚:元妻はどんな人?
立花容疑者は現在、結婚しておらず独身ですが、過去に一度離婚歴があります。
- 元妻:一般女性であり、その氏名や顔写真などは公表されていません。立花氏がプライバシーを守っているものとみられます。
- 馴れ初めと結婚生活:NHKに入局し、経済的に安定した後に知り合い、結婚したとみられています。NHK職員時代の立花氏は、30代半ばで年収1000万円を超える高給取りであり、前妻との間にもうけた二人の子供(後述)と共に、裕福な家庭生活を送っていた時期があったようです。
- 離婚の理由:二人の関係が破綻した決定的な理由は、立花氏の「NHK内部告発」と「退職」であったと、立花氏自身が動画などで語っています。安定した生活(高給、社会的地位)を自ら手放し、「NHKをぶっ壊す」という途方もない活動に突き進む夫に、家族(特に前妻)が反発し、ついていけなくなったようです。「(子供が小さいのに)お前は内部告発をしてNHKを潰すのか!」と前妻に激怒された、というエピソードも明かしています。
- 離婚時期:明確な時期は不明ですが、NHKを退職した2005年前後、あるいは娘が中学生になった頃と推測されています。
10. 立花孝志氏の現在のパートナー関係、彼女の存在についての情報
離婚後の立花容疑者のパートナー関係については、いくつかの情報があります。
かつては、党の職員や候補者であった女性と「彼女である」と公言し、メディアにも二人で登場していた時期がありました。しかし、その後、関係の変化があったとも報じられています。
また、2023年に「政治家女子48党(当時)」の党首の座を巡り、大津綾香氏と激しく対立した際には、党の運営や資金を巡る複雑な人間関係が露呈しました。この騒動の中で、党の運営に関わる女性と立花氏の関係が取り沙汰されることもありましたが、プライベートなパートナーシップについては、2025年11月現在、立花氏が公にしている特定の「彼女」の存在は確認されていません。
彼の活動は多くの人々に支えられていますが、それが公的な「同志」としての関係なのか、私的な「パートナー」としての関係なのかは、外部からは判別しがたい状況です。
11. 立花孝志氏の子供は?薬剤師の娘と息子の存在
立花容疑者と前妻との間には、一男一女、2人の子供がいることが確認されています。
11-1. 娘(長女):薬剤師国家試験に合格
立花容疑者は、特に娘(長女)について、たびたび公の場で言及しており、その存在を隠していません。
- 名前(通称):公美(くみ)さんと言われています(本人公表)。
- 年齢:2019年3月時点で26歳と公表されていたため、2025年現在は32歳前後とみられます。
- 経歴:非常に聡明な人物として知られています。立花氏の離婚と退職に伴い、一時は不登校を経験したとも言われていますが、自らの力で勉学に励み、2019年3月に薬剤師国家試験に合格したことを、立花氏が自身のYouTubeチャンネルで娘本人と共演し、嬉しそうに報告しています。
- 立花氏との関係:立花氏は娘を非常に信頼しており、「自分に何かあったら、党のことは娘に任せる」という趣旨の発言をしたこともあります。党の代表権(代表者を指名する権利)を娘に託しているとも語っており、法的な有効性はともかく、彼の娘に対する深い信頼がうかがえます。
11-2. 息子(長男)
一方で、息子(長男)については、立花氏が公の場で語ることはほとんどありません。一般人として静かに暮らしているものとみられ、その年齢や職業、現在の状況など、詳細は一切公表されていません。
立花氏が娘については積極的に公表する一方で、息子については語らないのは、本人のプライバシーを尊重してのことと考えられます。
12. 立花孝志氏の「若い頃」、NHK職員時代とパチプロとしての過去
立花容疑者の経歴で最も異色なのが、NHKを退職してから政界入りするまでの「空白期間」とも言える時期の活動です。
12-1. NHK職員としての「若い頃」 (18歳~37歳)
前述の通り、立花容疑者の18歳から37歳までの約19年間は「NHK職員」でした。高卒で入局し、経理畑やスポーツ報道の制作現場を経験。この時期に結婚し、二人の子供にも恵まれ、30代半ばで年収1000万円を超える、いわゆる「エリートサラリーマン」としての生活を送っていました。
しかし、彼自身が語るように、この時期から組織の不正(裏金問題)に関与、あるいは認識しており、2005年の内部告発と退職に繋がっていきます。彼のNHKに対する愛憎半ばする複雑な感情は、この19年間の組織人としての経験によって育まれたものと言えるでしょう。
12-2. 異色の経歴「パチプロ」時代 (37歳~40代半ば)
2005年にNHKを退職した後、フリージャーナリスト活動と並行し、立花氏は「パチプロ」として生計を立てていたと公言しています。これは単なる趣味の延長ではなく、本格的な「職業」として取り組んでいたようです。
彼が語るところによれば、NHK在職中からパチンコのデータ分析や攻略法に長けており、退職後はそれを本業にしたとのこと。一時は人を雇って組織的に稼働し、かなりの収入(本人談では月数百万円レベル)を得ていたとされています。
この「パチプロ」としての経験は、彼の「既存のルールの中で、システムの穴を見つけて勝つ」という思考様式や、「リスクを取って勝負する」というギャンブラー的な気質を象徴しているとも言えます。この気質が、後のYouTube戦略や選挙戦術にも通底している可能性があります。
13. 年間数億円か?立花孝志氏の莫大な活動費、その資金源の全貌を分析
全国各地の選挙への度重なる出馬、多数の訴訟費用、党の運営費、そして自身の生活費。立花容疑者の活動は、莫大な資金がなければ成り立ちません。その資金源は一体どこから来ているのでしょうか。公表されている情報や本人の発言から、その資金源を分析します。
13-1. 【最大の柱】政党交付金(税金)
立花容疑者の活動を支える最大の資金源は、皮肉なことに「税金」、すなわち政党交付金です。
- 2019年の参議院選挙で、NHKから国民を守る党は政党要件(得票率2%以上)を満たし、国政政党となりました。
- これにより、国から党に対して、所属議員数や得票数に応じた政党交付金が支給されるようになりました。
- 最盛期には、党に年間数億円規模の政党交付金が交付されていました。
- 2025年7月の参院選でN党は議席を失い、政党要件も満たさなかったため、今後の交付金は見込めなくなりましたが、それまでの活動(特に全国での候補者擁立)は、この交付金によって賄われていた側面が強いです。
13-2. 【集客と集金】YouTubeの広告収入
立花容疑者は、日本における「政治家YouTuber」の草分け的存在であり、YouTubeは彼の政治活動の核であると同時に、重要な資金源でもあります。
- 彼のYouTubeチャンネルは、過激な発言や「炎上」も辞さないスタイルで高い再生回数を維持してきました。
- 2019年の参院選直後には、自身のYouTubeチャンネルの月間広告収入が「1247万円」であったと、札束の画像と共に公表し、話題となりました。
- 全盛期には、YouTubeの広告収入だけで年間1億円を超える収益があった可能性も指摘されています。
- ただし、規約違反による収益化停止(BAN)のリスクも常に抱えており、安定的な収入源とは言い難い側面もあります。
13-3. 【借金という名の資金調達】支持者からの寄付・貸付金
党や立花氏個人の活動に賛同する熱心な支持者からの寄付金も、資金源の一つです。さらに特徴的なのが、「貸付金」という形での資金調達です。
- 立花氏は、「党(あるいは立花氏個人)に年利10%(時期によって変動)でお金を貸してください」といった形で、支持者から「借金」を募ることがあります。
- 2024年12月には『週刊文春』の取材に対し、立花氏本人が「(借金は)12億円くらいある」と認めています。
- これは、返済を前提とした「投資」のような形で支持者から資金を集め、それを政治活動費や選挙の供託金に充てているという、極めて異例の資金繰りです。
- この「借金」が、公職選挙法や政治資金規正法、あるいは出資法などに抵触しないか、専門家から疑問視する声も上がっています。
13-4. 【疑惑】その他の資金源
- ひとり放送局(株):立花氏が代表を務める「立花孝志ひとり放送局株式会社」の事業収益(動画制作、コンサルティングなど)も資金源の一つとされています。しかし、この会社を巡っては、過去に株主募集をしながら増資登記をせず、株主総会も開かれていないなど、「詐欺疑惑」が報じられたこともあります(立花氏側は「貸付行為として処理した」と説明)。
- 不明瞭な資金:2024年の東京都知事選挙では、ポスター掲示板の「掲示枠」を販売するビジネスを展開し、物議を醸しました。このように、法規制の隙間を突くような形で資金を生み出す手法も、彼の活動資金の一部となっている可能性があります。
2024年12月には、立花氏自身が「税金をめちゃくちゃ滞納しています」「お金がないからです」「いつ自己破産してもいいと思っている」とも発言しており、その資金繰りは極めて不安定な状態にあることがうかがえます。莫大な資金を集めながらも、それ以上の支出(選挙費用、訴訟費用、借金返済など)に追われているのが実態かもしれません。
14. 「NHKをぶっ壊す」の先へ、立花孝志氏は一体何がしたいのか?その政治的目的を考察
立花容疑者の最終的な目的は、一体何なのでしょうか。本人が一貫して公言しているのは、党のスローガンでもある「NHKをぶっ壊す」(=NHKのスクランブル放送化の実現)です。
14-1. 究極の目的:「NHKのスクランブル放送化」
立花容疑者の主張の根幹には、「NHKの受信料制度は不公平であり、国民の選択の自由を奪っている」という考えがあります。彼がNHKを内部告発し、退職したという原体験が、この強い動機に繋がっています。
彼の政治活動は、この一点を達成するために、あらゆる手段(選挙、YouTube、訴訟、炎上商法)を駆使していると解釈することができます。彼自身、「NHKのスクランブル放送化が実現したら、党を解党し、政治家を引退する」と公言しています。
14-2. 手段としての「選挙」と「炎上」
しかし、その目的を達成するための「手段」が、目的そのものを超えて過激化している側面があります。
- 選挙:当選そのものよりも、公職選挙法で保障された「政見放送」や「選挙公報」という場で、「NHKをぶっ壊す!」と連呼する権利を得るために立候補を繰り返しているように見えます。落選が前提であっても、そのプロセスで得られる「知名度」や「YouTube再生回数」が、次の資金源や党勢拡大に繋がるというサイクルです。
- 炎上:マツコ・デラックス氏への抗議活動や、今回の兵庫県での一連の言動のように、あえて社会的な対立や「炎上」を引き起こすことで、メディアの注目を集め、自身の主張(あるいは存在)をアピールする。これが彼の常套手段となっています。
14-3. 「NHK問題」以外の活動への傾倒
近年、特に2024年の兵庫県知事選への介入や、2025年の襲撃事件、ボランティア男性の自殺問題など、彼の活動は「NHK問題」という本丸から逸脱し、「ネット上の言論バトル」「陰謀論的な政治介入」「党内の内紛(大津氏との対立)」へとシフトしているようにも見えます。
「NHKをぶっ壊す」という当初の目的が、活動を続けるための「大義名分」となり、実際には「立花孝志」という存在が注目され続けること、あるいは既存の権力構造(メディア、議会、司法)と戦い続けること自体が、彼の目的(あるいはアイデンティティ)になっているのではないか…という見方も可能です。
いずれにせよ、その活動が法的な一線を越え、他者の生命や尊厳を脅かす結果を招いたのであれば、それは「政治活動」や「言論の自由」の範疇を超えるものとして、厳しく断罪される必要があります。今回の逮捕は、まさにその「一線」を司法が問うていると言えるでしょう。
15. 「遅すぎる」「当然」立花孝志氏逮捕に対するネット上の多様な反応とその背景
立花容疑者の逮捕という速報を受け、2025年11月9日、X(旧Twitter)などSNS上では、文字通り「当然だ」という受け止めと、「ついにこの日が来たか」という驚きが入り混じり、瞬く間にトレンドの上位を関連ワードが占めました。
15-1. 「当然の帰結」「やっと逮捕された」という声
ネット上の反応として最も目立つのは、竹内英明元県議が亡くなった一連の痛ましい経緯を知る人々からの、「当然の逮捕だ」「むしろ遅すぎるくらいだ」という、司法の判断を支持する声です。
- 「人を死に追いやっておいて、その死後まで『明日逮捕予定だった』などと虚偽の事実で鞭打つような発言をしていた。人間性を疑う」
- 「兵庫県警の本部長が国会答弁に相当する県議会の場で『全くの事実無根』とまで言ったのに、それでも信者が擁護していたのが異常だった」
- 「遺族の無念を思えば、逮捕は当然。司法には、故人の尊厳を守るためにも厳正な判断を望む」
- 「2025年3月の襲撃事件の犯人も、みんつく党ボランティアの遺書も、全て立花氏の言動が引き金になっている。今回の逮捕は、そうした一連の行いに対する司法の『待った』だろう」
これらの声の背景には、SNSというプラットフォームを使い、影響力を持つ人物が根拠のない情報や誹謗中傷を拡散し、結果として一人の人間が死に追い詰められた(と多くの人が受け止めている)ことへの強い憤りと、法的な裁きが下されることへの安堵感があります。
15-2. 「名誉毀損での逮捕は異例」という驚きと分析
一方で、名誉毀損罪、特に「死者の名誉毀損」という容疑で、被疑者が「逮捕」まで至るケースは比較的珍しい(多くは在宅での捜査や書類送検、あるいは不起訴となる)ことから、その異例さを指摘する声も多く見られます。
- 「名誉毀損で逮捕ってよっぽど悪質だったんだな。警察も本気だ」
- 「やはり『執行猶予中』という点が大きかったのでは。一般人なら在宅だったかもしれない」
- 「警察が『証拠隠滅』や『逃亡の恐れ』を具体的に認定したということ。単なる言論の域を越えていると判断された証拠だ」
- 「影響力のある人物による虚偽情報の拡散は、見せしめ的にも厳しく対処する必要があったんだと思う。ネットの誹謗中傷に対する司法の姿勢が変わりつつある」
この反応は、立花容疑者の言動の悪質性に加え、彼が置かれた「執行猶予中」という特殊な状況が、逮捕という強制捜査の決め手になったのではないか、という冷静な分析に基づいています。
15-3. 「執行猶予中なのに…」という呆れと実刑への言及
やはり、立花容疑者が過去の脅迫事件などで有罪判決を受け、執行猶予中であったことに、驚きと呆れの声が上がっています。
- 「執行猶予中なのに、また同じような(脅迫や名誉毀損)事件を起こすとは…全く反省していなかったということか」
- 「これで実刑になったら、過去の分と合わせて相当長くなるのでは。自業自得だ」
- 「司法の『最後の猶予』を自ら踏みにじった。もう政治家として終わったな」
司法制度に対する信頼や、更生の機会を無にしたことへの批判が、これらのコメントの根底にあると考えられます。
15-4. 一部の擁護論とその背景
数は多くないものの、一部の熱心な支持者とみられるアカウントからは、「警察による弾圧だ」「言論の自由への挑戦だ」といった、立花容疑者を擁護する声も散見されます。しかし、これらの声に対しては、「遺族が刑事告訴している」「警察トップが公式に虚偽と否定している」という事実から、擁護論は成り立たないとする反論が多数派を占めている状況です。
今回の逮捕は、ネット上での過激な言論活動や、注目を集めるための「炎上商法」が、法的な一線を越え、他者の生命や尊厳を著しく侵害した時に、どのような結末を迎えるかを示す、極めて重い事例として受け止められています。
16. まとめ:立花孝志逮捕の全貌と今後の焦点
最後に、2025年11月9日に起きた「立花孝志逮捕」事件の要点を、改めて整理します。
- 逮捕容疑:2025年1月に自殺した竹内英明・元兵庫県議に対し、「警察の取り調べを受けていた」「明日逮捕予定だった」等の虚偽の事実をYouTubeなどで発信し、故人の名誉を毀損した「死者の名誉毀損」の疑い。
- 事件の背景:竹内氏の遺族が2025年6月(または8月)に「夫の尊厳を守るため」と刑事告訴。立花氏の発言は、兵庫県警本部長が県議会で「全くの事実無根」と公式に否定していた。
- 竹内氏の死:竹内氏は、2024年の兵庫県知事選の際、立花氏らによるネット上の誹謗中傷や「黒幕」というレッテル貼りに悩み、2024年11月に県議を辞職。その後も続いた中傷に精神的に追い詰められ、2025年1月に自ら命を絶ったとみられている。
- 今後の処罰(最大の焦点):立花容疑者は、別の脅迫事件などで「懲役2年6か月、執行猶予4年」の有罪判決が確定している執行猶予中の身。今回、起訴されて「禁錮以上の実刑判決」が確定すれば、執行猶予が取り消され、以前の刑と合わせて刑務所に収監される可能性が高い。
- 人物像:立花容疑者は、NHK職員からパチプロを経て政界入り。離婚歴があり、薬剤師の娘がいる。「NHKをぶっ壊す」をスローガンに過激な活動を続け、資金源は政党交付金やYouTube収益、支持者からの借入金など。
「言論の自由」の名の元に行われた過激な言動が、一人の人間の尊厳を奪い、死に追いやり、その死後までも侮辱した。今回の逮捕は、その一連の行為に対する司法の厳正な判断の始まりと言えるでしょう。今後、検察が起訴に踏み切るのか、そして裁判所がどのような判断を下すのか。執行猶予中の再犯という極めて重い事実を踏まえ、その捜査と裁判の行方が日本中から注目されます。


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