イーロンマスクとトランプの関係性が不仲で対立・喧嘩する理由はなぜ?蜜月から決裂まで何があったか徹底解説

イーロンマスク トランプ FNNプライムオンライン
イーロンマスク トランプ FNNプライムオンライン

2025年、かつては「世紀のブロマンス」とまで呼ばれたイーロン・マスク氏とドナルド・トランプ大統領の関係が、突如として決裂し、世界中に衝撃を与えています。巨額の献金を通じてトランプ氏の再選を支え、政権の要職にまで就いたマスク氏が、なぜトランプ大統領と袂を分かつことになったのでしょうか。

政策を巡る対立から、SNS上での激しい非難合戦、そして市場を揺るがす経済的な影響まで、その背景は非常に複雑です。一体、二人の間に何があったのでしょうか。

この記事では、イーロン・マスク氏とトランプ大統領の関係決裂の全貌を、以下の点で徹底的に掘り下げていきます。

  • 蜜月だった二人の関係性がどのように築かれたのか
  • 不仲・対立に至った決定的な理由と背景
  • SNSで繰り広げられた激しい喧嘩の具体的な内容
  • テスラ株価大暴落など、市場に与えた深刻な影響
  • 対立の根源にある「トランプ関税」などの経済政策
  • 今後の二人の関係性と政局への影響についての考察

かつての盟友がなぜ敵対関係になったのか、その真相を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

1. イーロン・マスクとトランプの関係性はどうだった?かつての蜜月時代を振り返る

現在の激しい対立からは想像もつきませんが、ほんの数ヶ月前までイーロン・マスク氏とトランプ大統領は非常に親密な関係にありました。政権のブレーンとして、また最大の支援者として、マスク氏はトランプ政権2.0の中心人物の一人でした。ここでは、決裂以前の「蜜月時代」を振り返ります。

1-1. 2024年大統領選での強力な同盟関係の始まり

二人の関係が決定的に強固になったのは、2024年のアメリカ大統領選挙がきっかけでした。特に、2024年7月13日にトランプ氏が演説中に銃撃されるという衝撃的な事件が発生すると、マスク氏は即座にトランプ氏への支持を明確に表明します。

この事件を機に、マスク氏は単なる支持者から一歩踏み出し、トランプ陣営の強力な代弁者としての役割を担うようになります。自身が所有するSNSプラットフォーム「X」を駆使し、トランプ氏の政策の正当性を訴え、選挙戦を強力に後押ししました。

1-2. なぜ支持?マスク氏がトランプ氏に期待したこと

世界一の富豪であり、テスラやスペースXといった革新的な企業を率いるマスク氏が、なぜトランプ氏を支持したのでしょうか。その背景には、自身のビジネスにとって大きなメリットがあるとの計算があったと考えられています。

マスク氏は以前から、政府による過度な規制がイノベーションを阻害していると主張してきました。「小さな政府」を志向し、大胆な規制緩和を公約に掲げるトランプ氏の姿勢は、マスク氏のビジネス哲学と合致する部分が大きかったのです。特に、環境規制の見直しや連邦政府機関のスリム化は、テスラやスペースXの事業展開にとって追い風になると期待されていました。

1-3. 史上最大級!マスク氏からトランプ氏への巨額献金の実態

マスク氏の支援は、言論だけに留まりませんでした。2024年の選挙サイクルにおいて、マスク氏は自身が設立した政治活動委員会(PAC)などを通じて、トランプ陣営や共和党に対し、判明しているだけで少なくとも2億7400万ドル(当時のレートで約411億円)という莫大な資金を提供しました。

この金額は、一個人が投じた政治献金としては史上最大級のものであり、トランプ氏が選挙戦を勝ち抜き、ホワイトハウスへ返り咲くための極めて重要な原動力となりました。まさに「キングメーカー」と呼ぶにふさわしい影響力を、マスク氏は資金面でも発揮したのです。

1-4. トランプ政権での役職は?政府効率化省「DOGE」のトップに就任

2025年1月、トランプ政権2.0が発足すると、マスク氏はその論功行賞として破格の待遇を受けます。新設された「政府効率化省(DOGE:Department of Government Efficiency)」のトップに、実業家のビベック・ラマスワミ氏と共に就任したのです。

DOGEは、政府の無駄を徹底的に削減し、官僚主義を打破することを目的とした組織でした。マスク氏は年間勤務日数が130日以下の「特別政府職員」という立場で、連邦政府職員の解雇や連邦機関の解体・再編といった大ナタを振るいました。その強引ともいえる手法は多くの反発を招きましたが、トランプ大統領はマスク氏を擁護し続け、二人の蜜月関係はピークに達しました。

2. イーロン・マスクとトランプが不仲になった決定的な理由はなぜ?

盤石に見えた二人の関係は、なぜ、そしてどのようにして崩壊していったのでしょうか。その背景には、トランプ政権が最重要課題として掲げたある法案を巡る、深刻な意見の対立がありました。蜜月から一転、不仲へと突き進んだ核心に迫ります。

2-1. 【導火線】トランプ氏の看板政策「大型減税法案」への痛烈批判

決裂の直接的な引き金となったのは、トランプ大統領が「ワン・ビッグ・ビューティフル・ビル(One Big Beautiful Bill)」と銘打って推進した大規模な税制・歳出法案でした。この法案は、トランプ減税の恒久化などを柱とする一方で、成立すれば今後10年間で財政赤字が数兆ドル規模で膨れ上がると試算されていました。

政府の無駄遣いを批判し、財政規律を重んじる立場を取ってきたマスク氏は、この法案を看過できませんでした。2025年6月3日、自身のXアカウントに「もう我慢できない。この巨大かつ理不尽で、バラマキだらけの議会の歳出法案は、非常に不快で忌まわしいものだ」と投稿。法案に賛成した議員を「恥を知るべきだ」と痛烈に批判し、公然とトランプ大統領に反旗を翻したのです。

2-2. テスラに大打撃?EV補助金削減が不仲の核心か

マスク氏の批判に対し、トランプ大統領は「彼が怒っているのは法案の中身を知ったからだ」と反論しました。その中身とは、電気自動車(EV)への税制優遇措置の大幅な縮小・廃止です。

この法案には、最大7500ドル(約110万円)のEV購入時の税額控除を早期に打ち切る内容が盛り込まれていました。これは、EV最大手であるテスラの販売戦略に直結する問題です。JPモルガン・チェースの分析によれば、この措置だけでテスラの年間利益が約12億ドルも吹き飛ぶ可能性があったとされています。

マスク氏は「財政規律のためならEV補助金がなくなっても構わない」と主張しましたが、トランプ大統領や多くの市場関係者は、このビジネス上の不利益こそがマスク氏の態度の硬化を招いた最大の理由だと見ています。つまり、国家の財政を憂う「理念」と、自社の利益を守りたい「実利」が複雑に絡み合い、対立を深刻化させたと分析できるでしょう。

2-3. わずか4ヶ月で…マスク氏がトランプ政権を離脱した背景

実は、この法案を巡る対立が表面化する直前の2025年5月下旬、マスク氏はDOGEの職を辞し、政権を離れていました。在任期間はわずか4ヶ月(約130日)でした。表向きは「自身の事業に注力するため」と説明されましたが、このタイミングでの離脱は、すでに政権中枢との間に埋めがたい溝が生まれていたことを示唆しています。

DOGEでの急進的な改革が政権内部や議会で多くの摩擦を生んでいたこと、そして、大型減税法案に対する考え方の根本的な違いが、マスク氏に政権から距離を置く決断をさせたと考えられます。この政権離脱が、後の激しい直接対決への序章となったのです。

3. 泥沼化!イーロン・マスクとトランプの対立・喧嘩で何があった?

政権を離れたマスク氏と、看板法案を批判されたトランプ大統領。くすぶっていた対立の火種は、2025年6月5日、ついにSNS上で爆発し、世界中が固唾をのんで見守る「泥沼の喧嘩」へと発展しました。両者の間で交わされた、生々しい非難の応酬を時系列で追います。

3-1. 2025年6月5日:SNSでの非難合戦が勃発した経緯

発端は、トランプ大統領がホワイトハウスで記者団に対し、マスク氏の法案批判について「非常に失望している」と公に不快感を示したことでした。さらに、「彼が心変わりしたのは、我々がEV政策を縮小しようとしているからだ」と、マスク氏の動機をビジネス上の利益だと断じました。

この発言に、マスク氏はリアルタイムで猛反発します。自身のXで「なんという恩知らずだ」と投稿。「私がいなければトランプは選挙に敗れていた」と、自身の貢献度を誇示し、トランプ氏を痛烈に非難しました。ここから、二人の罵り合いは一気にエスカレートしていきます。

3-2. トランプ氏の攻撃「失望した」「正気を失った」「補助金打ち切りだ」

マスク氏の反撃に対し、トランプ大統領も自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で応戦しました。その言葉は、かつての盟友に向けるものとは思えないほど辛辣なものでした。

トランプ大統領の主な発言内容
「完全に気が狂った」マスク氏の言動を「正気を失った」と断じ、感情的な人格攻撃を展開。
「補助金と契約を打ち切る」「我々の予算で数十億ドルを惜しむ最も容易な方法はイーロンの政府補助金と契約を切ることだ」と投稿。スペースXなどが連邦政府と結ぶ巨額の契約を破棄することを示唆し、マスク氏の事業の根幹を揺るがす脅しをかけました。
テスラ車売却の意向かつてマスク氏への支持を示すために購入した自身のテスラ車を売却する意向を表明。関係が完全に断絶したことをアピールしました。

3-3. マスク氏の反撃「恩知らず」「弾劾されるべき」「エプスタイン・ファイルに名前が」

一方のマスク氏も、世界一の富豪にしてSNSの支配者という立場を最大限に利用し、強烈なカウンターパンチを繰り出しました。特に、トランプ大統領の政治生命に関わるような”爆弾”を投下したことは、大きな波紋を呼びました。

マスク氏の主な発言内容
「トランプ氏は弾劾されるべき」ユーザーからの「トランプ氏は弾劾されるべきか」との問いに、「そうだ」と返答。明確に大統領の罷免を支持する姿勢を見せました。
「スペースXの宇宙船を撤収」トランプ大統領の補助金打ち切り発言に対抗し、国際宇宙ステーション(ISS)への物資輸送を担うスペースX社の宇宙船「ドラゴン」を撤収させると一時表明(後に撤回)。国家の宇宙開発を人質に取るかのような姿勢を見せました。
「エプスタイン・ファイルに名前が」「本当に大きな“爆弾”を投下するときが来たようだ。ドナルド・トランプの名は“エプスタイン・ファイル”に含まれている」と投稿。これは、性的人身売買で有罪となった故ジェフリー・エプスタイン元被告との関係を示す文書に、トランプ氏の名前があるという極めて深刻な疑惑の指摘でした。

この「エプスタイン・ファイル」に関する指摘は、単なる政策批判や個人的な中傷を超えており、二人の対立がもはや修復不可能なレベルに達したことを世界に知らしめました。

3-4. テスラ株価が1日で22兆円消失!市場に与えた衝撃

世界最強の権力者と世界一の富豪による前代未聞の喧嘩は、金融市場を直撃しました。2025年6月5日のニューヨーク株式市場で、マスク氏がCEOを務めるテスラの株価は前日比で14%以上も急落。時価総額はたった1日で約1520億ドル(約22兆円)も減少し、これは1日の下落幅としては過去最大となりました。

この株価暴落により、マスク氏個人の資産も1日で340億ドル(約4.9兆円)失われたと報じられています。トランプ大統領との決裂が、マスク氏自身にも極めて大きな経済的打撃を与えたことは間違いありません。この騒動は、政治的な対立がいかに巨大企業の経営と市場の安定を揺るがすかという現実を、まざまざと見せつけました。

4. トランプ政権の経済政策「トランプ関税」とは?内容を分かりやすく解説

イーロン・マスク氏とトランプ大統領の対立の根底には、個人の感情だけでなく、経済政策、特に貿易に対する考え方の根本的な違いが存在します。その象徴が「トランプ関税」です。この政策がマスク氏のビジネスとどう関わり、対立の一因となったのかを解説します。

4-1. トランプ関税の目的と基本的な仕組み

「トランプ関税」とは、トランプ大統領が「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」を掲げ、米国の貿易赤字を削減し、国内の雇用を守るために導入した一連の保護主義的な関税政策の総称です。その仕組みは複雑ですが、主に以下の三層構造になっています。

  • ベースライン関税: ほぼ全ての輸入品に対して一律で10%の関税を上乗せするもの。
  • 相互関税: 貿易相手国の対米関税率や貿易黒字額に応じて、国別にさらなる追加関税を課すもの。これにより、日本には最大24%、中国には最大145%といった高関税が設定されました。
  • 品目別関税: 鉄鋼・アルミニウムや自動車・同部品など、特定の重要品目に対して高い関税を課すもの。

これらの高関税によって輸入品の価格を強制的に引き上げ、消費者が国産品を選ぶように仕向け、国内産業を保護することが最大の目的です。

4-2. 対象となる国や品目は?日本への影響も考察

トランプ関税は、特定の国だけを狙い撃ちにするものではなく、日本や欧州連合(EU)といった同盟国を含む全世界が対象となりました。特に日本は、巨額の対米貿易黒字を理由に、自動車や工業製品を中心に厳しい関税の対象とされました。

これにより、日本の輸出企業は「米国での販売価格を上げる」か、「関税分を自社で吸収して利益を削る」かの苦しい選択を迫られます。特に自動車産業への影響は甚大で、日本の基幹産業の競争力を大きく損なう懸念が広がりました。

4-3. マスク氏のビジネスへの影響と対立の背景

一見すると、国内産業を保護するトランプ関税は、米国内に工場を持つテスラにとって有利に働くように思えます。しかし、現実はそう単純ではありません。

テスラはグローバルなサプライチェーンに依存しており、多くの部品を海外から輸入しています。トランプ関税はこれらの輸入部品のコストを押し上げ、結果的にテスラの生産コスト増につながります。また、他国が報復関税を発動すれば、テスラの海外での販売にも悪影響が及びます。

自由貿易を信奉し、グローバルな視点でビジネスを展開するマスク氏にとって、国境に高い壁を築くようなトランプ関税は、自社のビジネスモデルと相容れないものでした。大型減税法案を巡る対立以前から、マスク氏はトランプ氏の関税政策に公然と異論を唱えており、この経済思想の根本的な違いが、両者の関係に常に横たわる火種となっていたのです。

5. ネット上の反応と専門家の見解は?

この歴史的な対立劇を、世間の人々や専門家はどのように見ているのでしょうか。SNS上での様々な声や、メディアで報じられる専門家の冷静な分析をまとめました。

5-1. 「世紀のブロマンスの終焉」「どっちもどっち」世間の声まとめ

SNS上では、この一件について様々な意見が飛び交いました。当初の蜜月ぶりを知る人々からは「世紀のブロマンスの終焉だ」「あんなに仲が良かったのに信じられない」といった驚きや落胆の声が多く見られました。

一方で、両者のあまりに激しい罵り合いに対しては、「子供の喧嘩レベル」「どっちもどっち。巨大なエゴのぶつかり合いだ」といった呆れたような反応も目立ちます。また、「これが国家運営だということを一瞬忘れるくらい面白い」と、前代未聞のエンターテインメントとして消費するような皮肉なコメントも見受けられました。

特にマスク氏の「エプスタイン・ファイル」への言及は衝撃が大きく、「一線を超えた」「事実なら大問題だが、そうでなければ無責任すぎる」など、その真偽と影響を巡って大きな議論を巻き起こしています。

5-2. 専門家が分析する対立の本質と今後の見通し

多くの政治・経済アナリストは、この対立を単なる個人的な感情のもつれではなく、より構造的な問題の表出だと分析しています。

  • 政策理念の根本的な違い: 財政規律や自由貿易を重視するマスク氏と、保護主義・国家主義的な政策を推し進めるトランプ氏とでは、目指す方向性が本質的に異なっていたという指摘です。
  • コントロール不能な二人の個性: 両者ともに自己顕示欲が非常に強く、SNSを武器に世論を動かすことに長けています。一度対立が始まると、互いに引くことができず、破局的な結末に至るのは必然だったという見方もあります。
  • 政権運営への打撃: マスク氏という強力な推進力を失ったことは、トランプ政権にとって大きな痛手です。特に、マスク氏が共和党内の反トランプ勢力を支援するような動きを見せれば、来年の中間選挙にも影響を与えかねません。

今後の関係修復については、ほとんどの専門家が「極めて困難」との見方で一致しています。トランプ大統領はABCテレビのインタビューで、マスク氏との対話に「興味はない」と明言しており、両者の溝は決定的となっています。この対立が、今後のアメリカの政治と経済にどのような影響を与え続けるのか、予断を許さない状況です。

6. まとめ:イーロン・マスクとトランプの対立から見えるもの

かつて固い同盟で結ばれていたイーロン・マスク氏とドナルド・トランプ大統領の劇的な決裂。その全貌を振り返ってきましたが、最後にこの記事の要点をまとめます。

  • 関係性の始まり: 2024年大統領選で、マスク氏は約400億円超の巨額献金とSNSでの強力な支持を通じてトランプ氏の当選に大きく貢献。政権発足後は「政府効率化省(DOGE)」のトップに就任し、蜜月関係を築きました。
  • 不仲になった理由はなぜ?: 対立の直接的な原因は、トランプ氏の看板政策である「大型減税法案」です。マスク氏は「財政赤字を拡大させる」と理念的に批判。同時に、法案に盛り込まれた「EV補助金の削減」がテスラの経営に直撃することも、対立を深刻化させた大きな理由とみられています。
  • 対立で何があったのか?: 2025年6月5日、SNS上で激しい非難合戦が勃発。トランプ氏はマスク氏を「気が狂った」と罵り「補助金打ち切り」をちらつかせました。一方、マスク氏は「恩知らず」と反撃し、「エプスタイン・ファイルにトランプ氏の名前がある」という衝撃的な爆弾を投下しました。
  • 経済への影響: この対立により、テスラの株価は1日で14%も暴落し、時価総額約22兆円が消失。世界経済に大きな衝撃を与えました。
  • 今後の見通し: 両者の関係修復は絶望的とみられています。この対立は、今後のトランプ政権の運営や、2026年の中間選挙の行方にも影響を及ぼす可能性があり、引き続き注視が必要です。

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